。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



「お前、いつもと違うシャンプー。なんかええ香りやな」


俺が響輔の耳元で低く笑うと、


響輔が目を開いた気配が分かった。


「……それが何か…」


「イチと一緒に風呂入ったん?」


「んなわけないやろ」





「ふーん。でも朔羅はどう思うかな?あいつ、昨日すっげぇ心配してたんだぜ?


響輔と連絡が取れない、って慌ててた。



お前が心配で、あいつ寝れなかったみてぇだし」



今朝は普通にしてたけど、目の下に僅かにクマをつくっていた。


顔色も悪かったし。



そのことを伝えると、



響輔は目を開いたまま、じっと畳を凝視していたが、



「でも今朝お前の無事が分かったら、元気になったよ」


と報告すると、


響輔は突如起き上がり、


ゴンっ


俺の顔面に響輔の頭が直撃した。


「でっ!!何しやがるっ!!」


思わず鼻を押さえて、響輔を睨むと、


響輔は真剣な顔……ってか申し訳なさそうな顔をして胡坐をかき、膝の上に手を置くと頭を下げた。





「ご心配お掛けして申し訳ございませんでした!ピクニック、行かさせてもらいます」




「やった♪」


作戦勝ちだな。と言うか半分脅し…??


ま、どっちでもいいや。朔羅が心配してたのっては事実だし。これでメンバーが揃った、と。


うきうきして「どこ行こかな~?」と考えていると、響輔がじっと俺を見つめていた。


「何だよ」


「いえ、戒さんの方も顔色悪いなって思いまして。もしかして寝れなかった?」


まぁ響輔が心配だったてのもあるけど、大半の理由は龍崎 琢磨だ!


「あー、これな?龍崎 琢磨の差し入れの賞味期限切れのプリンにやられた。お陰ですっかりトイレと仲良しだぜ」


忌々しそうに宙を睨むと、


「差し入れ?」と響輔が目をぱちぱち。


「朔羅に昨日の喧嘩の詫びいれてった。


ちっ。あいつ朔羅を餌付けしやがって。


お前の分もあるぞ?そっちはたぶん大丈夫だと思う」


「いえ、俺は食うのやめときます。タクさんにでもあげてください」


呆れたように吐息を吐き、今度こそ…と言った感じで響輔がごろりと横になった。