。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。




急に二人きりになって……


ってか二人きりだよ!!


どーしよ!!


急に余裕をなくしたあたしは、一人あたふた。


それでも叔父貴だけはいつも通りで、


「俺もそろそろ行く。人を待たせてるからな」と言って立ち上がった。


「人……って誰と…?」


思わず聞いちまってあたしは慌てて口を押さえた。


まぁ叔父貴はこう見えて時間に煩いお人だからな。相手はもちろん、自分が時間に遅れるのはもっとイヤみたい。


「仕事の関係者だ」


叔父貴は何でもないように笑って、その大きな手であたしの頭を撫で撫で。


「仕事って……龍崎グループの?」


思わず聞いちまって、


「ほかに何がある?」と叔父貴の方が不思議そうに聞いてきた。


戒は前、龍崎グループが巨大な裏金のプール先……金庫だと言った。


今更そんなことあれこれあたしが言うことないし、気にしたりもしない。


だけど何となく……気になる…


「そ、その顔で?」


あたしは叔父貴の口元を指差した。


「…ああ、大丈夫だ。今更こんなことで驚く相手でもないしな。古くから付き合いのあるやつだ」


古くから……


蛇田の野郎か?それだったら「鴇田と約束してる」って言うだろうしな。


まぁあたしが幾ら勘ぐったって、叔父貴の仕事のことなんてあたしなんか分からないし、


聞いても無駄だよな。