戒に抱きしめられてドキドキ!
でも、気になることはある。
「まぁ、お前が理由もなく人を殴るようなやつじゃないとは分かってるけどさ。叔父貴と何があったんだよ」
あたしの質問に戒は考えるように黙り込んだ。
「言ってよ。何聞いても驚かないから」……のつもり…
戒はしばらくの間押し黙っていたが、やがて決心したように口を開いた。
「あいつが朔羅に強引にキスして、押し倒して……その後のことは考えたくないが、
とにかくそれを黙って見過ごせるほど俺は寛大じゃない。
あいつの飄々とした態度見て、無性に腹が立って、どうしようもなくムカついてた」
戒の答えに
やっぱりキリさんが言った通り、原因はあたしだったんだ―――
戒や叔父貴にこんな傷を負わせたのは、あたしで
体以外―――
きっと
二人の心も傷つけたんだ
「俺ってガキかな……こんなんだったら一生あいつに勝てねぇ気がするけど……」
戒がちょっと考え込むように項垂れ、
「ううん……そんなことない……」
それだけあたしを想ってくれてるってことじゃない。
ありがとな。戒。
あたしはちょっと顔を上げると、戒のふわふわした髪をそっと撫で上げた。



