分からない。どうして―――……
不安や疑問が頭の中を満たし、それが伝わったのか下腹部に小さな痛みが走った。
「……ってー」
腹を押さえてトイレに駆け込むと、
―――……きやがった。
あたしは腹を押さえて、小さく唸った。
ドクターの予想した通りだ。
毎月思うけど、女って面倒くせぇ。
何でこんなもんがあるんだろう。
でも子供を産む準備ができたってことで、体は成長していく。
あたしの産まれたときから叔父貴はあたしの成長を見守ってくれていて、
言葉通りいっつもあたしを守ってくれていた。
どんなときも―――
ときに、その手を血で染め上げることがあっても
あたしを包んで、慈しんでくれた。
いつから―――……
いつからあたしは叔父貴の前で“女”だったんだろう。
生理がはじまってから?子供を産める準備ができたときから?
―――いつから可愛い(?)姪じゃなくなったのだろう。
ドクターが言った通り、叔父貴に拳を向けたのも、やっぱり生理が関係してたのだろうか。
まぁ毎月これが来るたびにかなり気持ちが不安定になるし、イライラに伴っていつもにも増して暴君になる。
組のもんは慣れてるだろうけど、叔父貴と会ってるときにあんまり重ならなかったし、
会ってても、叔父貴にイライラをぶつけることはなかった。
はぁ~
あたしは盛大にため息をついて、のろのろと部屋に引っ込んだ。
考えても分からないし、考えれば考える程下腹部の痛みが酷くなっていく気がする。
こうゆうときは寝るに限るな。



