玄武会の―――…殺し屋スネーク……?
俺は目を開いて、すぐ近くにある琢磨さんの顔を凝視した。
口を塞がれてるから声も出せなかったわけだ。
「お前は玄武会が生み出した最強の殺し屋“玄蛇”一族を知っているか?」
ゲンジャ―――…?
知らない
と言う意味で俺は首を横に振った。
そんな名前聞いたこともない。
「“黄龍”と同じ伝説じみた存在だが、ヤツらは確かに存在していた」
していた、って過去形じゃん。そう言う意味の視線で琢磨さんを見ると、
「三十年ほど前に滅びたはずだ。主(アルジ)である玄武に滅せられた。
だが生き残りはいる。
厄介なことに、そいつは歴代最強の殺し屋に育ちやがった。
ヤツは金で動く殺しのプロだ。目的の為なら手段は選ばない。
そしてその手口は巧妙かつ鮮やか。毎回違う手を使ってくるから、こちらも予想ができない。
ヤツのコードネームは
スネーク」
スネーク……蛇……
俺はキリさんの腰に彫られたタトゥーを思い出した。
あの人がスネーク……?
「お前たちを御園医院で狙ったヤツもスネークの仕業だ」
御園医院で?ってことはキリさんじゃない。
あれは女の仕業じゃない。
「俺はこれを機に青龍会のゴミを一斉清掃する。
だからお前たちはスネークの存在を探る真似するなよ?
ヤツの狙いが何なのか、雇い主が誰なのか判明しない今、ヤツを下手に刺激するのは得策じゃない。
ヤツらは極道であって極道じゃない。
生まれついての殺人者だ。そこに義理も人情もない。
いいか
朔羅に傷一つ付けてみろ。
俺がお前をぶっ殺してやるからな」



