「あ、似合いますね。可愛いですよ」
「ホントに??お前も言うならおかしくないのかな~」
俺は朔羅と響輔が何やら楽しそうにしているフィッティングルームの方が気になり…
「動かないでください」
とスタッフに注意されながらも、採寸されていた。
胸囲やウェストから始まる基本的なサイズはもちろんだが、肩幅や腕の長さまで。
かなり細かいところまで計るんだな。
「オーダーメイドだ。お前しか着られないスーツだからな」
と、椅子に座ってくつろいでいる琢磨さんが俺の採寸をじっと眺めている。
『何だこるぁあ!見るんじゃねぇよ!』
と言いたいのを堪え、じりじりと採寸が終わるのをじっと待つ。
しかし、採寸が終わると数百点あるスーツの中から気に入ったデザインのものを選べと言うし。
てか面倒くせぇ!!
気が短い俺は適当に手にしたスーツを持って、フィッティングルームで試着。
朔羅はさっきのドレスがお気に召さなかったのか、今は響輔とドレス選びをしていた。
ああ、あっちに混ざりてぇし。
でも子供みたいな我儘言ってたら、龍崎 琢磨にバカにされそうだ。
その方がもっと嫌だ。
大人しく試着をしようと思って、着ていたTシャツを脱いだときだった。
カチャッ
突然フィッティングの扉が開いて、振り返ると
龍崎 琢磨が個室に入ってきた。
俺が目を開くと、琢磨さんは後ろ手にフィッティングの鍵を
カチリ
と締めた。
―――は??



