。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。




「肉食獣?あんた取って食われたクチかよ」


俺が腕を組んだまま鴇田を見ると、


「………」


鴇田は黙り込んだ。この様子からすると間違いないな。


「聞いたぜ?あんた結婚するんだってな」


「耳が早いな。どこでその話を?」


「朔羅が言ってた。あいつがどこで聞いたのか知らねぇけど」


「お嬢が……?」


鴇田は目をまばたきフィッティングルームの扉をちらりと見た。


「何だよ、あんたが結婚する話俺が知ってるのは良くて、朔羅はいけないのか?」


訝しげに眉を吊り上げると、


「いや……お嬢は何て?」


と聞いてきた。


何でこんなこと聞くんだ?


「なんてって……」そう言い掛けたときだった。


カチャッ


白い個室のフィッティングルームの扉が開いて、ドアの隙間から朔羅が顔だけおずおずと覗かせた。


「か、戒……」


恥ずかしそうにちょっと俯いて、


「何だ、着たの?見せて♪」


と覗き込もうとすると、


「いや…着たには着たんだけど、ちょっと胸元が開き過ぎてるって言うか……」


胸元が……?


見たい!


俺はいそいそと扉を開けた。