そんなことをぎゃあぎゃあ喚いていると、
「あの……」
ことの成り行きを黙って見ていた店員さんがちょっと迷惑そうに顔をしかめ、
「割引きいたしますので、帰ってください。って言うかお願いだから帰って」
最後の方は半分泣きそうになりながら懇願され、
あたしは結局黒のパンツを買って、そして何故か変態タイガも柄違いのパンツを二枚買って、
「ひよこちゃんとヒツジちゃんのお土産にしよう~と♪」と楽しそうにしている。
ああ…ディテクティブごっこが失敗に終わって、しかもこんな変な組み合わせと会っちまうなんて!
最悪な一日だよ!!
―――しかも、その後早く別れたいあたしたちが無理やり連れて来られたのは、
同じ百貨店にある上層階の会席料理屋だった。
「さぁ何でも好きなものを頼みたまえ。あそこで会ったのも縁だろうしね」
とドクターがメニュー表を勧めてきて、一応は受け取ったものの、
リコと二人で覗き込んで、
「「高っ!!」」
思わず二人して声をあげた。
てか、あたしたちが通されたのも何か個室みたいだし。梅の花なんかがこれまた高そ~な壷にお洒落に飾ってある。
女子高生には無縁の世界で、あたしたちは違った意味できんちょ~
「値段の心配ならしなくていいよ~僕たちこう見えて結構リッチだから♪」
とタイガがあたしの横に擦り寄ってくる。
「じゃぁこの一番高いので!」
リコが¥18,000コースを指差し、タイガの顔面にメニュー表を押し付けた。
てかリコ……あんた強ぇえな。
相手はこう見えてもヤクザだぞ??



