。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。




「イチさん、お茶です♪」


「イチちゃん、肩お揉みしましょうか~♪」


「イチさん、好きです」


事務長である俺の椅子にふんぞりかえって脚を組み、イチは組員からちやほやされて女王さまみたいだ。(最後の台詞は聞かなかったことにしよう)


「あら、気が利くわね」


イチも手馴れた様子で、ねぎらいを受けている。


俺が言うのも何だが、まぁ黙っていればかなりの美女だ。


だが騙されるな!こいつの中身はドス黒くて、少しでも入り込んだらボロ雑巾のように捨てられるんだぞ!(←親の言う台詞ではない)


親である俺ですら痛い目に遭ってるんだからな。


イチめ。あのブラのイタズラのせいで俺は酷い目に遭ったんだぞ!!


まぁあの件はおいおい、とりあえず、


「イチ、お前ところで何の用で来た?小遣いでもせびりに来たか?」


俺がそっけなく聞くと、


「違うわよ」イチはつんと顔を逸らす。


「前から思ってたけどイっちゃんは組長の何??」


大狼が不思議そうに俺たちを見比べて、イチは俺の方を流し目で見ると


「あたしの“パパ”なの♪」


お茶を飲んでいた俺は


ブーーー!


危うく吹き出しそうになった。


だが組員たちは


「「「……あぁ、それで小遣い…」」」


何をどう納得したのか妙に神妙な面持ちで頷く。


ちょっと待て。そっちの“パパ”かよ!俺が援交してると思ってるのか!?





これは俺の本当の娘だ!





とは言えず…イチは勝ち誇ったようにふふんと笑っていた。