「…いや、これにはわけがあって」
慌てて説明するも、
「組長の結婚相手は宇宙人じゃなくタイガの兄貴??」
と俺たちを交互に見る。
「まぁ宇宙人よりマシか…」
「宇宙人よりタチが悪いんじゃねぇの?」
と、またもヒソヒソ。
「貴様らっ!俺の結婚相手は女だ!それにこれにはわけがあって…」
と説明しようにもできない…
そんな騒ぎの中、
「何やってんのよ」
組員の群れを掻き分けて、
一結が部屋に入ってきた。
―――イチ……?
イチは俺たちの様子を怪訝そうに見て顔を歪めると、大狼は服の乱れを直して、さっと素早くイチの背後に隠れる。
「イっちゃん!!この人怖いよ!」
イチの背後に隠れながらも俺を指差し喚く大狼。
「ぼ、僕襲われそうになった!」
しくしくしく…とイチの背後ですすり泣きを漏らしている。
「何やってんのよ」
イチは呆れたように俺を睨み、
「ちょっと!ひっつかないでよ!」と大狼にもいつもの態度。
いつもならイチを鬱陶しいと思うことがあるが―――
今日は何か助かった??



