戸惑ったままの大狼を応接室に押し込めて、俺は一番最初にハジキを取り上げようとこいつの体をボディーチェックしてみた。
ぽんぽんっと軽く叩くも、
「お前、ハジキは?」
「いつも持ち歩いてないですよぉ。重いから」とのんびり答えながらも怪訝そうに表情を歪めている。
「お前それでもヤクザか!」
「僕平和主義なんで~♪♪拳銃は重いから腰が凝るんですよね~。あの??それが何か?」
重いから持ち歩かないだと??どこまで本気か分からず、俺は腕を組むと
「脱げ」
短く命令した。
「は!?」
これにはさすがに大狼も驚きを隠せないようで、目を丸めている。
だがしかし大狼は怯えたように両腕を抱きしめ、
「組長、もしかして僕をそんな目で…?すみませんが僕は組長は全然範囲外で、全く眼中にないんです…」
範囲外??眼中にない…?
何でか、上から目線~なこいつにイラっ!ときた。
「俺だってお前の範囲内にされたら困る!眼中にない!?ありがたいね!
つべこべ言わず脱げっ!」
俺が無理やり大狼の上着を引っつかむと、
「ギャー!!やめてぇえええ!!」
大狼が叫び声を上げて後ずさった。
体格で若干差があるものも、力で言えば俺もこいつも互角。
「いいから脱げっ」
「やめてぇ!」
そんなやりとりをしながら俺は強引に大狼のワイシャツの前を開けた。



