。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



俺は大狼のデスクに肘をついて脚を組むと、大きく息を吸って、


「大狼、俺は結婚することに決めた」


そう報告をしてみた。


「「「結婚!!?」」」


肝心の大狼の反応ではなく、周りが騒然となって椅子をガタつかせて一斉に立ち上がる。


「何だ!俺が結婚するのはそんな大きな問題かっ!!」


そう怒鳴ると、


「「「い、いえっ!」」」


と慌てて椅子に戻る奴ら。


方々で、「明日は嵐かもな」


「いや雹が降ってハリケーンが巻き起こって、落雷だ」


「てか相手人間!?」


「バカ!宇宙人とどうやって結婚するってんだよ!そもそも婚姻届ってどこで出すんだよ!」


とひそひそ。


………


「日本ではハリケーンじゃなく台風と呼ぶものだ。それに俺の結婚相手は宇宙人でもなく地球外生命体でもなく、人間の女だ!」


俺が一喝すると組員はまたも慌てて仕事を再開させる。


「結婚ですかぁ。また急ですね。お相手はどちら??」


と、大狼は俺の話を話半分に聞き流して、壁紙に設定してあるキョウスケの写真(隠し撮り)に夢中だ。


俺の考え違いか?


こいつは紛れもなく変態で変人だ。


目を細めてじっと大狼を見据えて―――だがしかし探りを入れるために俺は次なる攻撃を仕掛けた。






「相手は朝霧だ―――」







デスクトップを楽しそうに見つめていた大狼が目を開いて、動きを止めた。