忌々しそうに脚蹴りを食らわせたキョウスケは、それでもあたしの方を見ると、
「清い関係……?ってことは昨夜…」
と探るように聞いてきた。
聞くなよ!そんなこと!!
「何にもねぇよ!!」あたしは思わず喚いて、アイスティーを一気飲み。
こんなこと言うのも恥ずかしくて、体がかっと熱くなったからだ。
「……何も、なかった…?」
キョウスケがほっとしたように戒を横目で見て、したり顔でちょっと笑った。
「戒さんが一晩中女の子と居て何もしなかった?」
「うっせぇな!そう何回も連呼するんじゃねぇ!」
今度は戒が反撃に出て、キョウスケの腹にパンチを入れる。
「いたっ」
と小さく呻くも、キョウスケは楽しそうにしてアイスコーヒーを一飲み。
「いざってとき役に立たなかったんですね。くくく…」
役に立たないって…
ぎゃーキョウスケ!!何を言い出すんだよ!
「てめぇ!ふざけんな!!俺ぁ百戦錬磨だ!!俺が本気だせばM240並みにだな!」
と言いかけた戒の頭部を今度はあたしが殴った。
「乙女が居る前でなんっつうこと言い出すんだよ!」
百戦錬磨って…!!M240並て!!
ハプニングとは言え、戒の倅に触れてしまったあたしはそれが強がりやはったりでないことを―――知っている……
ぎぃぁあああああ!!
昨夜のことを考えただけでも顔から火を噴きそう!!



