言葉を飲み込み、口を覆うと、
「失血多量で貧血が起きましてね、今は輸血中です」
あたしの驚愕とは反対にドクターはさらりと一言。
「は!?貧血!」
聞き間違いかと思ってあたしがもう一度耳を傾けると、
「はい、貧血です♪」
とドクター。
何だよ!死んだんじゃなかったのかよ!しかも病院に運ばれた理由が貧血かよ!!
てか、あのリアクションは何なんだよ!!
ってか!
「お、叔父貴は知ってたの!?」
「誰も死んだとは言ってない」
と、叔父貴もさらり。
何だよ、叔父貴だって誤解を招く表情しやがって!!あたしは心配したんだぞ!
心配―――……
何心配してんだよ、あたし……あんなヤツ死んだってどうってことないのに……
どうってこと―――
ある。
やっぱどんなヤツでも死んじゃうのはやっぱりイヤだ。
あたしは母さんと親父、そして
雪斗の死を目の前で見送ってきた―――
誰かが死んじゃうのは
もう見たくない。



