マサ―――……?


普通じゃないマサの態度に、あたしは戒の正体がバレたのかと思った。


けど


「いいか、メガネ!!お嬢はまだ嫁に出さんぞ!」


違った意味で、爆弾発言をしてマサはビシッと戒を指差した。


これには戒もびっくりしたように目を丸めて、僅かに両手を挙げた。


「……嫁って…そもそも僕たちそんな関係じゃ…」


「ま、マサ!もしかして叔父貴に何か言われたのか?」


叔父貴が「朔羅を戒に近づかせるな」そう言ったのかもしれない。


だけど


「会長が?いいえ、何も仰ってませんが。しかし俺は会長からお嬢をお預かりしてる身。


俺はお嬢の親父も同然!」


親父??まぁそうかもしれないけど。


「ど、どうしたんだよ、急に。今までそんなこと一言も…」


「今までずっと黙ってました。メガネは会長から預かってる野郎だし。


会長の命令は絶対ですが、大事な娘がこんなフトドキ者に恋!?


お嬢!こいつは男が好きな変態野郎です!!早く目を覚ましてくだせぇ!!」


フトドキ者で、変態野郎……?


随分な言われようだな、戒も。


どうやらマサは一方的にあたしが戒に想いを寄せている恋する乙女だと思い込んでいるようだ。


さすがの戒もびっくりし過ぎてか、何も言い返せず目をぱちぱち。


「さぁ!行きますぜ!!」


ぐいっと引っ張っていかれて、


か、戒~~~


あたし、あいつに話したいことがあったのにーー!!



あたしはマサの強引とも呼べる行動で、部屋に押し込められた。