傷は大したことなくて。

それでもライトは毎日見舞いに来た。


何を話すわけでもなかったけど。

ただ遠くを眺めて――



お前がポツリと

母親の事故を打ち明けたとき

理解できたような気がした。


その寂しさの意味――



なあ ライト

あの頃俺は

何もできん自分が悔しかったんや

せめて
お前の心を埋めてくれる

誰かとの出逢いを

ひたすら期待してさ


あほらしいやろ?