「あ、そうだ。花音、作ってきたの?」

「……うん。いちよう…」



奈保には昨日、利玖にお弁当を作ることで相談をした。



中身は何を入れたらいいかとか……。



「花音が作ってくれたんだから黒瀬くん、絶対喜ぶよ!!」

「そうだといいんだけど……」


すると、教室に先生が入ってきたので奈保は自分の席に戻った。



………早く…お昼にならないかなぁ。



授業中はそのことばかり考えていて、全然授業の内容は頭に入ってこなかった。



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「ーーー…花音、いってらっしゃい!!」

「うん…」


ボーッとしたまま授業は終わって、昼休みになった。



「いってくる……!!」



お弁当箱を2つ持って、あたしは屋上へ向かった。



「ーーー…利玖!……おま…たせ…。…っ…」



屋上の扉を開けたあたしは、そっとその扉を閉めた。



あれは…利玖と誰……?