「楓って人さ…1回うちに遊びに来たんだ」



馨は楓のことを話し始めた。



「ねーちゃんがさ、その人のこと好きってのは見て分かったし。その人に彼女がいるっていうのも分かった」



ケータイに貼ってあったプリクラを



見せてもらったと馨は付け足した。



「俺さ…あの楓って人、何か苦手っていうか…。無神経っていうか…。ねーちゃんがあの人と話してるとき、すげぇ辛そうな顔してたんだ」



馨は花音思いなんだな……。



馨の言葉で十分伝わった。



「そうか…」

「だから!利玖さんは、ねーちゃん惚れさせて!!」