私こそ光る☆君~四季折々番外編~

「だから安心して食べて?」


何が“だから”なのか。

紫水はお礼の品――白鳥型の飴細工を指し示す。


最初の話に戻っちゃったよ!!



「ねっ?」


笑顔でごり押しするのヤメテクダサイ、紫水さん。



「ううっ、怖いよ~カナちゃんっ☆」


『私も怖いよー』


由依と二人して、ガタガタ震える身体を寄せ合う。



紫水の作った飴細工は、見た目だけは綺麗だった。


水辺を優雅に泳ぐ白鳥。

手乗りサイズにもかかわらず、羽の一枚一枚に至るまで丁寧に形作られていて、照明の光を受けてキラキラと輝いている。


私の分だけ、頭にお姫様のようなティアラが乗っていた。


本職パティシエさんも真っ青なこれを4人分作るなんて、いったいどれだけ時間が掛かったんだろう?


見た目だけは芸術品と言えると思う。

食べちゃうのが勿体ないくらい。



「だいたい、まともな飴であろうがなかろうが、俺様にとっては毒にしかならねぇだろ。嫌がらせかっ!!」


「それは君が好き嫌いするからだよ」


「ハンッ、甘い物が嫌いだからってとやかく言われる筋合いはねーよ!!」


思わず飴細工に見とれていると、遥と紫水の言い合いが始まってしまった。



遥、気の毒に。

でも遥もそろそろ気付こうよ。

口論では紫水には勝てないって。