『ちょっ……ちょ~っ!!』


怖い!!

めちゃくちゃ怖い!!


撒くとか言うレベルじゃないから、コレ!!



「おには~そとっ!」


ビビりまくり、制止の声を掛けるが豆撒きに夢中な奏の耳には届かない。


怖い怖い怖い!!

まだ奏は手加減というものを知らないから、力一杯目一杯豆を投げつけてくる。

そうして飛んできた豆は俺にとっては凶器そのものだ。


当たったら絶対痛い!!



「キャハハッ」


『……っ』


笑う妹に初めて恐怖を感じながら必死になって飛礫と化した豆を避けていると。



――ガチャッ。


背後で扉の開く音がした。



パタリと奏の豆攻めが止んで安心したのも束の間。



「雅様、奏様。いったいこれはどういうことでしょうか?」


『「……ひっ!!」』



本物の鬼が現れた。



この後、俺は奏と揃って滾々と2時間にも渡る坂上のお説教を聞かされた。



おしまい☆