“ヤだ☆”


首をフルフルと横に動かす由依。


だよねーっ。


“しーちゃん以外なら誰でもいいけど、しーちゃんとだけは絶対にイヤだ☆”


うんうん、妖しいお兄さんに遊ばれたら大変だもんね。



“おやおや、随分嫌われてしまったみたいだね”


紫水は肩をすくめて見せるけど、顔は全然困っているように見えない。



“じゃあ僕、ヒカちゃんとやるーぅ☆”


“えっ?”


完全に傍観していたところに急にお鉢が回ってきて、パチパチと目を瞬く。



“別にやってもいいけど?”


紫水が何もしないなら、ね。



ガバッと。

頷いた私に由依が無言で抱きついてきた。


いたた……。

抱き付いてくる由依の力が意外に強くてちょっと痛いや。


こういう時、由依もやっぱり男の子なんだなぁって思う。


きっと、よほど嬉しかったんだねー。



“待て、やっぱ俺様が相手してやる”


せっかく決まった話を混ぜっ返す人がいた。


遥だ。