私こそ光る☆君~四季折々番外編~




「Trick or treat!!☆」


リムジンの運転手さんにまでそう告げる由依はしっかり者なのか、ちゃっかり者なのか?


一方の運転手さんはというと、ボディーガードと言った方が遥かに似合いそうな厳(いか)つい体格をしている。

いかにも、“私は甘い物など口にしません”という雰囲気だ。


それなのに、懐からキャラメルを一粒取り出して由依に渡していたのには驚かされたのだった。



「「「「キャーー!!」」」」


斎賀邸に到着すると、メイドさんたちに熱烈な歓迎を受けた。


「「「「由依くんカワイイ~vv」」」」


由依が……っていうか、由依だけがね。

私も光の格好をして行った時は歓迎してもらったけど、今は男装してないから……。


メイドのお姉様方はあっという間に由依を囲んで、次々とハロウィンのお菓子を渡し始めなさった。


世知辛い。

完全に取り残されちゃったな……。

それでも、お姉様方が由依に夢中で睨まれないのは、不幸中のさいわいと言うべきか。