「膝枕がいい。
……奏の」
ふ~ん、膝枕か。
清龍らしいね。
……って。
『私!?』
驚いて声を上げた私に、清龍は無言でコクッと頷く。
何で!?
どうしてそうなるの!?
遥じゃいけないの!?
そりゃ、遥が清龍を膝枕してるのって、何となく直視しがたい光景ではあるけどさ……。
「決まりは決まりだからね?」
『わっ、ちょっと……』
トンッと紫水に軽く肩を押され、何も身構えていなかった私は尻餅をつく。
いつの間に用意していたのか、私のお尻の下にはビニールシート、頭上にはパラソルが。
首尾の良さに呆気にとられていた私は、断るタイミングを失って、気づいた時にはすでに膝の上に薄茶のサラサラヘアの頭があった。
ど、どどど、どうしよう!?
焦る私をよそに清龍は、
「……おやすみ」
と、言うが早いか目を閉じてしまった。
こういう場合、どうすれば……!?
この日、私の頬が赤かったのは太陽のせいばかりではないかもしれない。
おしまい☆