「不正行為は実質不可能だよ。

僕らが見ているわけだし、それにその目隠し、ウチのグループで開発した商品だから。

すべての光を遮断する仕組みになってるから、どんなに目を見開いたところで何も見えないよ」


さりげなくまたとんでもない発言をしてみせる紫水。


キャンキャン、ギャンギャンやっていた遥と由依が一斉に口を閉ざした。


目隠しなんてそんなに需要のないだろうものを開発する、その心は……?


色々と尋ねたいことがあるものの、私はやっぱりその疑問を口にできないのだった。


聞いてしまうと、なぜか危険な気がする……。



「それでセイ、君が望む罰ゲームって何?」


愉しげに紫水が清龍に問いかけた。


そうだ、勝った人が罰ゲーム決めるんだっけ?

にしても、紫水って罰ゲーム好きだね……。

清龍は……って、この人まだ目隠ししたままだよ。


「俺は……」


スルリ。


口を開いた後、いったん言葉を止めて面倒くさそうに目隠しを外す。

外した目隠しが風に吹かれて、清龍の手をすり抜けた。