「ハッ!!」


上段に構えた木刀を、清龍は雄々しい掛け声とともに振り下ろす。



パカッ。


スイカはいとも簡単に両断された。



すごい……。

普通、木刀でこんなにきれいにスイカ割れないよね?。

しかも、ただの一撃で。



「何でそんな簡単に割れるんだよ?

おかしいだろ?」


疑うような目で清龍の方を見つつ、グチグチ文句を言い始めた遥を由依がたしなめる。


「セイくんがずるなんかするわけないでしょ!?

自分の番まで回って来なくてつまんなかったからって、そんなこと言っちゃダメ☆」


うんうん。

そっか、今回遥の順番が回ってくる前に終わっちゃったもんね。

叩かれ損ってやつ……?


人差し指を立てる由依の言葉に頷きながらも、少しだけ遥の気持ちが分かる気がした。