私こそ光る☆君~四季折々番外編~

ホワッと温かくなった心。


『由依、ありがとうね』


今度は私がお礼を言った。



「さてと、次はセイの番だっけ?」


どうにかして遥を黙らせたらしい、紫水が独り言のように呟く。

その言葉に無言で頷いた清龍は、これまでの皆と同じように目隠しで目元を覆い、木刀を手に砂浜に立った。


何だかその姿はとっても……。


「様になってるね」


身体のどこにも無駄な力が入っていない。

自然体だった。



「セイくん、右だよ~☆」


由依が最初の指示を出す。

しかし……。


『あれっ?』


清龍の様子がおかしい。


「セイ、もう少し慎重に動いた方がいいんじゃないかな?」


そう言われるも、彼は誰の指示にも耳を貸さず、自分の意思で淀みなく歩を進める。

そう、まるで見えているみたいに……。