並んで待つこと約1時間。
やっと順番が回ってきた。
最初に遥、次に紫水と清龍、最後に由依と私の順番で御参りする。
遥は五円玉をお賽銭箱に投げ込むと目を瞑り、妙に真剣な顔をして拝んでいた。
『あれっ?
紫水、お賽銭はそれだけ?』
紫水の手の中の5円玉を見咎めて言う。
紫水ならお金持ちだから5万円とか普通に投げ込んでそうなのに。
「ハハッ。
相変わらず君は面白いことを言うね。
お賽銭っていうのは、金額が多ければいいというものではないんだよ。
それに、あまりここで目立つことはしたくないから」
たしかに。
元旦早々、必要以上に人ごみに揉まれるのは遠慮したいかも……。