「母親がいない家庭のツラさがわからないだろ。わかんねぇのに、偉そうな口利くんじゃねぇよ!!」
愁…。守ってくれてありがとう。
でもね、もう限界なんだ…ごめんね。
「…ごめん。」
私は人が怖くて、喋るのが怖くて逃げた。
お母さんの事は忘れて、
楽しく過ごそうって考えてたのに…
思い出して、泣いて、逃げて…
最悪だな…私。
「ははっ!!逃げてやんの」
「あいつ泣いてたぜ」
「黙れ!!りんをバカにすんな。」
愁は守ってくれたのに、逃げるとか…
あぁ、嫌われたな…
「りん!!」
そうだ。
公園に逃げよう。
木に隠れていればいいんだよ。
私は公園へ走った。
周りなんか気にしない。
早く、早く…
私は走って、木の下に座り込む。
「どうしてっ…泣き止んでよぉ…」
せっかくの卒業式。
暖かい春なのに、どうして…?
「はぁ…はぁ…り…ん…」
「なんでいるの?」
「はぁ…お前…は、速い…よ…」
あ、追いかけてきてくれたんだ…
こんな私なんかほっとけばよかったのに。
「愁…うちって、男みたい?」
どんな答えでもいい。
覚悟はしてるから。
でも、予想とは違う答えがきた。
「りんは、女の子。ちゃんとした女の子だよ。」

