会いたい

~愁said~

揺れが治まってから数時間後

やっとケータイが繋がるようになった


安否確認のメールがたくさんきていた

俺は順番に返信していく


りんからのメールがきていない


あいつからメールがきてないことで
不安が増す

桃葉のそばで親に連絡をした


ケータイが繋がらない


すると颯太からメールがきた


[愁大丈夫か?
津波警報出たから、俺は高台に避難したよ
津波で家が流された人もいりゃ、人とか犬も流されていた
お前も気をつけろ]


颯太からのメールで俺は衝撃を受けた


家が流された?

人が流された?

津波警報?



この地震がどれだけの人の命を奪ったのだろう



津波なんて経験したことがない俺は
何も言えない状況だった


颯太が言ってた
「家が流された」


住むところがなくなってしまった感情なんて
俺にはわからない


でも、どれだけ怖いか
どれだけ悲しいか

それだけはなんとなくではあるけど
感じだ様な気がした


不安が増す中、俺は
メールがきていないりんに電話をかけた


いっつも強がってるあいつは
絶対、大丈夫って聞いたら大丈夫って答えるだろう

それを承知の上で電話をする


「もしもし?」

泣いてたのかな?
声が若干鼻声


「もしもし!?大丈夫か?!」

「大丈夫だよ。愁こそ大丈夫?」


精神的に大丈夫ではないけど
心配かけさせるわけにいかねーから

「大丈夫に決まってんだろ(笑)
俺をなめんなよー!(笑)」


いつものように返答をした