「先輩!!卒業おめでとうございます!!」


2011年3月11日。

この日はお世話になった先輩方の卒業式。
私は中学3年生になる前だった。

正直に言っちゃうと、お世話になった先輩は
あまり…いや、いないと言っていいほど。

なのに挨拶なんて…

「めんどい。」

そうボソッと言ったのを聞いてる人がいた。

「一応お世話になったんだし、挨拶くらいしとけ。」

こいつは野球しか頭がない野球馬鹿の
佐久間愁。

まぁ、仲いいと言えばいいと思う。

「愁はお世話になったと思うけど、うちは
「吹奏楽やってたのに?」

こいつ、私の言うことさえぎったな…
いつもいつも…ムカツクやつだ。

「りんは小学からお世話になってる先輩がいるんだろ?」
「まぁ、いるけど、中学での絡みないし。」

上下関係が厳しいせいか、あまり絡みはない。
いや、絡みたくない。

でも、愁は違った。

先輩後輩関係なく平等に接していて、
同級生からも人気。

私は、そんな愁に憧れていた…のかもしれない。

いくらバカでも平等に接していた彼の姿は
スゴくカッコいい。


『私もいつか…』


心の中でずっとそう思っていた。