教室のドアを開けた
花撫が一人で窓の外を見ていた。


「 おかえりなさい、寒川くん。
帰っちゃったかと思ったよ。 」


花撫はオレを見ないで開けていた窓を閉めながら言った。


「 まっ… またせてごめん。
桜がキレイだったから…
つい…
メール… メールありがとな! 」


「 清川くんにメアド聞いちゃった、ごめんね。 」


それから
どれくらい二人して言葉が出なかったのだろう。

この校庭のにぎやかな声、それと自分のドキドキが教室にある時計から聞こえてくる秒針と一緒で耳障りになってきた。


「 あっ… あのね
私 ずっと好きな人がいるの。
それは言ったよね?
今日、山北くんに告白されたけど…
ずっと好きな人がいるって断ったんだ。
だから…
私も好きな人に告白しようと思って。 」


「 花撫…
それは…
オレから先に言わせて…
オレは花撫がずっと好きです。
だから…
オレの傍にいてください! 」


花撫は自分の顔を両手で隠して…
泣いてるのか?
肩が震えている。


「 オレのこと好き? 」


顔を隠しながら頷いた。


「 オレ花撫しか見てこなかったから
女の子の扱い方わかんないけどいい? 」


頷いてくれた。


「 私も寒川くんが大好き!
私も寒川くんしか見てなかったから
二人でいろいろ勉強していこう!
恋するってことを。 」


泣いてるけど
かわいい花撫のまま伝えてくれた。


「 オレの彼女になってくれるんだよね? 」


「 うん!
寒川くんは私の彼氏だよね? 」


こんな初心者な二人で
恋愛ってことを学んでいこうね。





end