「 ねぇ
何を見てるのかな? 」


「 うん?
出会った頃に使っていた携帯だよ。
その中に日記をつけてたんだ。 」


「 オレにも見せて! 」


「 それはダメだにゃ。 」


「 ねぇ…。 」


私のクチビルは
あなたのクチビルで塞がれてしまった

伝えたい言葉が口から出てこれなかった。


あなたは
自分のクチビルに触れて


「 また冬がきたね! 」


「 うん!
また冬がきたんだね! 」


嬉しくなった私は
あなたに抱きついた。

あなたは
優しく私の頭をなでながら


「 ずっと一緒に
冬を楽しもうね。 」


つぶやいて
あなたのカサついたクチビルで
あったかいキスをプレゼントされた。





end



2014/11/30