自分の子供を迎えにきているような
優しい気持ちになった。


宏貴が、
ここにいて良かった。
もしここにいなかったら…


「 あっ!
美々… ごめん!
つい子供の頃からのくせで、
寂しくなると…
これにのぼっちゃうんだよね。
美々がオレの話を聞いてくれないだけでね…
ホントに、ごめん。 」



恥ずかしそうにおりてきた宏貴の頭をポンポンとして



「 宏貴、
さっきさ話をしてくれた
なんとか彗星は
太陽に二度と近づかないんだっけ?
もしさ、
なんとか彗星が太陽を好きだったらかわいそうだね。 」



「 そうだね。 」



「 でもさぁ、
美々はね
ずっと宏貴という太陽から離れないのにね。 」



ニコッと笑った私に
宏貴はもっとクシャクシャに笑ってくれて



「 さてと、
オレの太陽が
お迎えにきてくれたことだし、
美々、帰ろう! 」



宏貴の左手が
私の右手を恥ずかしそうに待っていてくれて

このいつまでも子供みたいな宏貴が大好きだから

私は
なんとか彗星にはなれないなぁと
左手を見つめていた。




あっ!
私自転車で来なくて良かったね。





end