ふと央一に目をむけると
央一の横に一央が座っていた。


私はビックリして
ただ見てるしかない私に


< 陽愛、ありがとう! >



一央の声が聞こえた。



私の声に出さない言葉を聞いて
一央は聞いて来てくれたんだとわかった。


だから…



< 私一人じゃ心配で来てくれたのかな? >



心の中で呟いた。



< 陽愛だから安心してるよ。
央一に雪を見せてもらったから
会いたくて来ちゃったけど…
もう帰るよ。 >



一央は一瞬寂しそうに笑って
そのあと央一をギュッとだきしめて
私のところへきて私もだきしめてくれた。


一央はいないのに
抱き締められたときはあったかさを感じた。



< ありがとう! >



私はあたたかさを感じながら目を閉じて呟いた。


目を開けると
そこには一央はいなかった。



「 ねえママ。
パパは喜んでくれたかな? 」



小さな央一をギュッと抱き締めて



「 もちろん!
央一の気持ち
ちゃんと届いているよ。 」



植木鉢にはいっていた
植木はなんだったのかな?
忘れちゃったけど…


央一の目には雪の花に見えた。



「 キレイだね、央一の雪の花。
記念にお写真撮ろうね。 」



頬を寒さで赤く染めて
雪の花を見つめている。

この子が大きくなっても、
小さなことを幸せに思える大人になってほしいなぁ。


なんて
一央のおかげかな?

いつになく
母親らしいことを考えてしまった。



「 ママ!
はやくはやく!! 」





end