彼の家に戻ると、私はテレビを見始める。

最初は彼も一緒に見ているのだが、スグに言い寄ってくる。

 「さや。しよう。」

このとき私は考える。
 もし、『いや』と答えればきっとまた殴られるだろう。
 だけど、『うん』といえば縛られたり、道具を使ったり・・・
 私のしたくないことばかりやられるだろう。
 そして極め付けに、やる前にAVを見せられる。
 私がそれを見て興奮するのだとでも思っているのだろう。
 私は毎回いやだと思う。だが、もし見た後に濡れてなければ怒られ、たたかれる。
 どっちにしても殴られるのである。
 いつも、悩んで、出す答えは『うん』。この日も・・・

 「うん。。」

そして2人はイツモのごとく始めるのだ。
AVをみて、目隠しをし、縛って、道具も使ったり・・・
私にとって彼といることで一番苦痛に思える時間だった。

そのとき・・・バシッ!

 「いたっ!」

私はびっくりした。

 「お前最近濡れないな!誰とやっとる?」

またか・・・はぁ。もう疲れた。
付き合ってもう2年半。
こんなこと毎日やってれば誰だってそうなるよ。

もうこのときには私は自分でも分かっていた。この人とは情で一緒にいるんだって。
(好きは好きなんだけどなぁ・・・。)

 「誰ともしてない。てか女とも遊びに出てないのに、毎日あってるのに誰とできる?」

 「俺が仕事してるときにしとるんだろ!」

もういや・・・。

 「もういいわ。そうそう。あんたが仕事してるときに他の人と逢ってる。これでいい?」

 「はぁ?やっぱりか!」そういって彼は私を何度も殴り、さやの服を掴み、服と一緒に外に放り出した。

私は無意識のうちに泣いていた。
こんなことされれば誰でもなくであろう。。。