「あぁ助けてやる。だから少し待ってろ」 黒髪の不良には聞こえていた。 黒髪の不良は大丈夫だと言うようにアイコンタクトを雛菊に送った。 「そろそろ行こうか」 不良集団の中の背が一番高い男が言った。 「あぁ」 不良集団が自分の方に走ってくる。 ―――手荒な真似なんかして…あたし殺されちゃうの? 雛菊は目を瞑った。 「もう大丈夫だよ」 優しい声がし、雛菊は目を開けた。 目の前にはさっきの不良集団がいた。