―凌side― 「凌くん」 唯の病室を飛び出して、椅子に座っていた。 行き場のない気持ちが、込み上げてくる。 名前を呼ばれて、顔を上げると 唯にそっくりな、おばさんの姿があった。 「凌くん、唯が…ごめんなさいね?」 「唯は、悪くないんです…俺がもっと…っ」 「凌くんがいてくれて、本当に助かってるわ」 「おばさん…っ」 「いつもありがとね、凌くん」