ー唯sideー




「ゆい先輩~っ」




ベランダで風に当たりながら過ごす、昼休み。




あゆと笑いながら、声の方向に視線を移すと


校庭から手を振ってくる人を見つけた。




「流星くんだっ」




笑顔で手を振り返すと、


嬉しそうにサッカーに戻る流星くん。




「流星くん、元気だねぇ~」


「毎日毎日あんな大声で名前叫ばれて、恥ずかしくないの?」


「もう慣れちゃったよ」




こんなの日常茶飯事。


私の名前を叫び、手を振ってくる流星くん。




そのおかげで、私は学校でも


ちょっとした有名人?になっているらしい。




校庭にいる人も、教室にいるみんなも、


ベランダにいる私を見て笑っていた。