家に入ると、凌が玄関で立ち止まっていた。
「凌…あのねっ…」
「意味わかんねぇよ…まじで」
「凌っ…話を聞いてっ」
思いっきりドアを閉めた音が、
凌の部屋から聞こえた。
結局一言も話さないまま、数日が経って。
朝も、1人で学校に行く日が続いた。
「唯、道木と何かあったの?」
「あゆ…」
「ねぇ、最近2人とも様子おかしいよ?もしかして…この間の阿部流星が…」
「違うの、流星くんは悪くない。悪いのは全部私だから…」
「唯…」
凌が隣にいないだけで、こんなに不安になる。
私、凌がいないとダメダメじゃん。
眠れない日が続いたせいか、頭が痛い。


