「私ね、今までなーんにも進路のこと考えてなかったの…やりたいことも夢も、自分のことなのに全然分かんなくてさっ…」
後輩に進路の相談って…
ほんと、情けないな~。
ひとつ、ため息をついたとき。
「夢なんて、なくていいんじゃないっすか?」
「えっ?」
「夢があるって大切だけど…夢があると、その世界しか見えなくなりそうで、俺は怖いです」
流星くんの言葉を聞いて、
なんだか心が軽くなっていく気がした。
「夢がなければ、いろんな世界が見えてくる。ゆい先輩には、たくさんの可能性があるってことですよ!」
「可能性…」
「ゆっくり、いろんな世界を見ていけばいいんじゃないんですか?」
「そっか…そうだね!すごいよ流星くん!」
「いえ、後輩が生意気言ってすみませんっ」
「ありがとう!流星くん!」


