「俺たちは座れる所でも探すか」 唯は、くまのぬいぐるみを 大切そうに抱きしめていた。 「それ、そんなに欲しかったのか?」 「だって、凌が取ってくれたから」 「唯…」 「これ、私の宝物だよっ!」 俺たちは公園のベンチに座って 唯は高橋に場所を連絡していた。 「ねぇ、もうすぐ花火やるんだって!」 去年まで花火なんてやらなかったのに… やけに人が多い理由が、やっと分かった。 「あっ、凌!」 「ん?」 荷物から何かを取り出す唯。 その手には、小さな箱…? 「凌、お誕生日おめでとうっ!」