先生が歩いてきた。


静かな病院に響く足音。




何があったのか分からない私は、


ただ凌の隣にいるだけだった。




「道木さんの、ご家族ですか?」


「はい…母ちゃんは…」


「命には別状ありません。ただ、意識がまだ」


「母…ちゃん…」