俺は昔から、唯に勝てなかった。 唯のほうが剣道が上手くて。 唯のほうが愛されてて。 唯のほうが期待されてた。 才能がない俺には、努力しかなかった。 毎日、毎日、死ぬほど努力をした。 そんな俺も小学生のとき、唯に嫉妬してた。 『ゆいばっかり、ずるい』 『りょう、どうしたの?』 『ゆいは剣道も強いしさ~っ』 『りょうだって、強いじゃん!』