旅だて!!二次元へ


彼がそういった瞬間、眠くなってきた。

思わず彼の名を呼んだ。


「リ・・キヤ・・・」


とっさにつかんだ服、彼は驚いて
寝てしまう彼女を見た。


「・・・りか・・・

早く16になれ・・・

そうすれば・・・」


そう言っているのを最後に
私は眠ってしまった。

・・・・・・・

「り・・・か・・・・りか!!」

虹歌の声に目が覚めると

私は図書室の椅子の上で寝ていたらしい。

「ずっと呼んでたんだよ?」

虹歌がムスッとして言った。


「ごめんごめん、後で何か奢るから」


と言って虹歌の機嫌を直した。

それにしても・・・さっきの彼のこと・・

あれは夢だったのだろうか・・・

立ち上がろうと、机に手を置いた私は、

手の近くに何かあるのに気づいた。


「!(これは・・・あの時の本!?

じゃあ、さっきのは夢じゃない!?)」


そう、そこには彼から貰った

本が置いてあったのだ。

その日以来、私は本を読むようになり

本を読むのがとても楽しくて

本が大好きになったのだ。

でも、その話は虹歌にはしていない

だって、そんな二次元のような話

現実にある訳がないのだから・・・

だから、この話は誰にもしていない。


「ね、どうして本が好きになったんだっけ?」

虹歌に言われて、私は


「図書室に行った時に、気になってた人が居て

その人が面白そうに本を読んでたから

そんなに面白いのかなって思って

私も読んでみたら面白くてはまったからよ。」


と適当な理由をつけて言ったら、虹歌はあっさり信じた。

“いいな~ロマンチックだね♪
で、その人は今どうなってんの?”

と聞くので

“もう、会ってないよ?引っ越した。”

と言って黙らせるのであった。