「そ、よかったね。
で、夢ハメって何?」


「知りたい?教えたろっか?」


嬉しそうに、にやける裕馬


「うん。教えて」


「例えば、俺の客が留衣ちゃんやとするやろ?
でな、俺が留衣ちゃんに、俺の親友が事故にあって入院してて、そいつ保険入ってなかったから、俺が払ったらなあかんくなったとかそうゆう話しするねん。
で、留衣ちゃんからお金もらえるようにするとかやねん」


あたしは、馬鹿馬鹿しくて無視しようかと思った。


「は?それのどこが夢ハメなんよ?わけわからん」


「まぁ、なんか嘘つくってことやって!」


裕馬は、脳天気に、まだにやにやしている。


「はぁ〜。
あんたさ…
顔は、押尾学 そっくりやのにな…
でも、頑張りや…」


「うん!頑張る!」


裕馬は、あたしの態度など気にもしていない様子で、ぎらぎらと街を見て 浮かれている様子


「留衣ちゃんも、バイトやけどキャバ頑張ってな!って、もう一年してるし、慣れてるかぁ」


「ありがと、頑張るわ。
じゃね、あたし 店行く前に約束あるからもう行くわ」


あたしは、裕馬と逆方向を指さして言った。