一度の保証(短編集)

《太一》



俺は、近くにあった丸い椅子を出し、えりなの顔の近くに座った。


「えりなちゃんのパパとママは、優しいの?」


「うん!と〜っても!
太一君のパパとママは?
優しそうだね!」


「そうだね。
とっても 優しくて、立派な両親だよ」


「太一君は、高校生なの?」


「高校一年になったとこだよ」


「いいなぁ。大人だね!
えりなが、高校生になったら、大人っぽくなれてるのかな〜?!」


「うん!きっと 可愛いい制服の似合う女の子になれるよ」


俺は、躊躇なく答えて話す。


俺の妹 えりな


兄弟だと聞いていたからか、似ている顔だと思いながら、笑うえりなを見ていた。


実感は、わかない。


でも、はじめて今日逢ったばかりのえりなを可愛いいとは思った。


優しい家族がいて 良かったと自然に思った。






俺達家族は、週にできるだけ三度は、えりなの元を訪れることとなる。


俺よりも 熱心に両親は、出向くことを、積極的だ。


俺は、助けれるかもしれない身内を、見殺しにしなくてはいけない…


見殺し…なんて言葉は、悪かったかな。


人が持つ 寿命だ。