一度の保証（短編集）

女性は、にこやかに俺達を紹介した。


お父さんとお母さんを見ると、女の子 えりなを見て、うっすら 瞳がうるんできていたような気がした。


「ああ、寝たままで良いよ。
体は、大丈夫かい？」


お父さんは、優しく笑い えりなに言っていた。


「はい！大丈夫です！
今日は、たくさんみんな居てくれて嬉しいです！」


「そうかい。
お見舞いに 来るのが遅くなってしまって悪かったね。
これから、また来てもいいかね？」


「嬉しい！
えりな、パパとママの知ってる人なら とっても嬉しいよ！」


「そうかい。それはよかった」


お父さんは、えりなにすごく優しく、小さい頃 俺と遊んでくれていた時を思い出した。


「太一君？」


えりなは、じっと俺を見てるかと思うと言った。


「え？」


「太一君でしょ？
昨日 ママから聞いてたの！太一君は、えりなより三つもお兄さんだって」


「ああ、そうだよ。
今、１５歳なんだ。
えりな・・ちゃんは、１２歳？」


「うん！そうだよ。今 小学六年生で、この間 クラスのお友達がお見舞いに来てくれたんだよ」


えりなは、とても明るい女の子だった。