一度の保証(短編集)

《太一 》


俺とお父さん、お母さんは、病院を訪れていた。


お父さんは、埜上さん夫婦を前に、言う。


「えりなさんには、何と?」


「はい、宮崎さんのご希望通りに、えりなには、私たちの知人だと伝えてあります…」


「そうですか。
埜上さん、勘違いなさらないで下さい、そう提案したのは、えりなさんの為も 思いのことです」


「はい。承知してます」


女性は、下向き加減に言った。


俺とお父さん、お母さんは、埜上 えりなと記された病室の扉の前に立った。

ドアを開け、折れそうなほど細い 女の子が、目に映った。


埜上夫妻の後を追い、病室へと入る。


女の子の部屋は、意外にも広く一人部屋だが、周りにあるのは、病院の器具が、女の子へ繋がっている。


「パパ、ママ!
この人達が、ママ達の お世話になった人ね?
はじめまして。
埜上 えりなです!
寝ているままですが、いいですか?」


女の子は、明るく元気にはきはきと言葉を言った。


俺達 家族は、みな少し圧倒されていた。


「そうよ、宮崎さんってゆうのよ。
息子さんの太一君はね、えりなの三歳上だから 少しお兄さんね」