一度の保証(短編集)

「俺なんですか…?」


「え?」


みんなが、一斉に俺を見る。


「どうして俺なんですか?俺達の産んだ女だっているはずじゃ…
それに、父親に当たる人物だって…」


「あなた達の産みの女性は、消息不明とゆうか見つけることもできなかった。
父親は……」


夫妻の女性は、そう言いうつ向いた。


「俺達は、腹違いじゃないですよね?」


「ええ、違うわ…
あなた達の父親は…
すでにこの世にはいなかったの」


「どうして?なにかあるんですか?」


「二度、殺されたらしいの。保証で生き返っても、またすぐ…」


「はははっ そうですか…。殺されるような男だったんですね」


「違うわ!太一さん、それは違う。
太一さんは、太一さんよ!
いくら親子でもね、育った環境も違えば、性格なんてもっと違うんだから!
太一さんは、ご両親に愛されて こんなに大きく育てて貰えたでしょ。
それが、すべてなのよ」


女性の俺へ向けた微笑みは、暖かいものだった。


妹が、幸せに生きていた証だと 一目で分かった一瞬だった。


「埜上さん、お力には、なれませんが、頑張って下さいとしか言えません」


お母さんが、俺の肩を抱き言った