一度の保証(短編集)

一応、俺の学校は、名門で通っている。


緑がかったブレザーの制服は、誰に見られても恥じることのない身だしなみで、学校指定で使わされている小さい方のスクールバックを欲しがる女生徒も多く、特に女子高の女達からの指示はダントツだった。


共学なんて気にされることもなく、人気のある男子生徒の名前入りのその鞄を欲しがる女は多く、パクられるなんて頻繁にある。


卒業する男と鞄を目当てに、毎年群がりに来ることももう名物になっている。


いつものように授業に専念し、帰り道を学校最寄りのバス停まで歩く


真新しい制服と鞄に身を包まれながら。





バス停が見えてきて、俺以外の同じ制服に身を包む学生も、ちらほらと居る。


俺は、特に何も考えず バスが来るのをぼんやり待って立っていた。


バスが到着し、それぞれみな乗り込む学生達


俺も、その列通りに前へと足を進め、俺が乗り込むまであと二人となった時、一人の女性と男性に、声をかけられた…


俺は、バスには乗れず、足止めされることとなる。


「あの、宮崎 太一さんですね?」


俺の名を言った女性は、俺のお母さんより、二周りほど若く見えた。